自分を磨く海外交流とGLP

山手学院中学校 2024

4年ぶりに高2全員が参加する北米研修を再開した山手学院中学校・高等学校。
日々の学校生活にも笑顔があふれ、生徒はそれぞれの目標に向かって進み始めています。

総合型選抜・学校推薦型選抜
新たな可能性を含んだ大学合格実績

 共学校として、首都圏ではトップクラスの難関大学合格実績を誇る山手学院中学校・高等学校(以下、山手学院)。2023年度大学入試は、前年より100名ほど卒業生が少ないなか、難関大学への合格実績は堅調に推移しています。その内訳をみてみると、国公立大120名、早慶上理273名、MARCH634名という合格実績で、とくに早慶上理の合格者は昨年より26名増えるなど、学力上位層の伸びが顕著に表れています。
 その今年度大学入試の特長を入試対策部長の渡辺大輝先生はつぎのように話されます。
 「国立大学をはじめとした難関大学を総合型選抜や学校推薦型選抜で受験する生徒が増えたことです。とくに中学から入学した一貫生は上位の大学に進学できました。本校が進めてきた探究学習『GLP』など様々な取り組みの成果が少しずつですが表れた結果ではないかと思います。この生徒たちは志望大学になんとしても合格しようと色々な先生を巻き込んで、主体的に動いていました。その熱意ある姿は大変見応えがあり、これからは彼らのように色々な入試方法のなかから自分に合った入試方法を選択して大学をめざす時代がきているんだなと実感しました。
 今後はいま以上に、生徒がそれぞれの将来のために進みたい大学に合格できるように進路指導を行っていきたいと思います」と話されます。

さらに厳選された
Global Leader Program

 独自の探究学習として中3・高1を対象にスタートした山手学院のGL P(Global Leader Program)も今年で4年目を迎えました。今年度は土曜講座として、オリジナルのWebサイトを制作する「Webプログラミング」、SGDs について学びを深める「Eyes on the World」、哲学対話を体験する「じっくり考える会」、「ラジコンカーで学ぶ自動運転技術」、自動運転に関する知識やプログラミング技術を身につける「SEASON TECH」の5講座が開講されています。
 また、土曜講座以外にも、日本で最初にゼロウエイスト宣言をした徳島県上勝町でゴミ問題を考えるツアー(2泊3日)や沖縄のやんばる地域の問題について考えるツアー(4泊5日)が国内GLPツアーとして昨年に引き続き今年度も開講されます。
 さらに、今年度は国内GLPツアーとして、新たに中3希望者を対象とした『ブリティッシュ・ヒルズ英語研修(2泊3日)』を5月連休中に実施。夏には2020年以降中断していた『シンガポールイマージョンプログラム(8日間)』を海外GLPツアーとして再開します。以前は現地の高校生との交流でしたが、今回からはシンガポール国立大学で実施するプログラムにバージョンアップされており、多くの参加が予想されます。
 GLP以外にも、中3・秋にオーストラリア研修(修学旅行)、1月からは約3か月間のニュージーランドターム留学が実施しており、本格的な山手学院のグローバル教育が再始動しています。
「中3・高1は全員GLPを受講することができます。勉強だけでなく、将来の自分の生き方を見つけるいい機会になっているのではないでしょうか。今年、総合型選抜で筑波大学に合格した生徒もアントレプレナーシップを学ぶGLPを受講した生徒でした。本校では中3・高1の2年間に選抜クラスを設けていますが、このクラスの生徒は全員がいずれかのGLPに参加して自分自身をさらに磨いているようです」(渡辺先生)

60名合格の特待選抜など
2024年度入試に変更なし

 山手学院は、公立一貫校との差別化を図るために2023年度入試より2月2日午後入試を廃止し、2月3日午前入試を導入しました。その結果、入試全日程合計の受験者数は減少しましたが、3日入試の合格者のうち約7割が入学するなど、1日入試以上に山手学院への入学を強く希望された受験生が集まった入試となりました。
 今年度の入試結果を受け、2024年度入試での変更点はありません。これまで通り、合格者のうち上位60 名が特待生合格となる特待選抜(2月1日午後)、3日の午前入試、各入試の試験科目、全4回の入試を2回以上同時出願する場合に適用される受験料の割引制度なども同じように実施されます。
 「今年度より、本校の最大の特色でもある『国際交流』が本格的に再開しています。これからの『国際交流』は、英語を学びに行くのではなく、そこで暮らす人々との考え方の違いを肌で感じ、現地の文化を学びに行くことが本質になっていくのだと思います。『世界を舞台に活躍でき、世界に信頼される人間』を育成するという本校の教育目標を実現するためにさらに充実した『国際交流』を進めてきます」(渡辺先生)
 GLPを中心に将来の目標を生徒ともに模索する山手学院。本誌取材日(4月14日)には、約500 名の高2の生徒たちが次々と何台ものリムジンバスに乗り込み北米研修へと出発していきました。

※2023年「サクセス12」7.8月号より転載

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