「スタートアップキャンプ」ついに海外へ!
成蹊高等学校 2027
本物に触れることで、知的好奇心と科学的探究心を育む成蹊高等学校。昨年度はタイ・バンコクで
「スタートアップキャンプ」が実施されるなど、その独自の探究学習は新たなステージへと進んでいます。
バンコクで「0to1」を実践
「スタートアップキャンプ」
解答のない世界を生き抜くために「0to1」(ゼロトゥワン)の発想を重視する成蹊高等学校(以下、成蹊)。独自の探究学習に力を入れており、なかでも特長的な取り組みの1つが「スタートアップキャンプ」です。これまで長崎県の五島列島を舞台に3年間行ってきたプログラムを、昨年度はタイ・バンコクへフィールドを移し、8月に5泊6日の「スタートアップキャンプinバンコク」を実施しました。
「このプログラムは探究学習特化型です。課題を設定し、現地での調査をもとに新しいビジネスプランを作成し、プレゼンテーションするというものです。昨年度は、中3から高2までの希望者から選抜された31名が参加しました。出発前の事前研修で、交通、物流、観光、食料、福祉、教育の6つのテーマごとに班を編成し、事前に課題を設定したうえで、訪問先や調査内容を検討しました。事前学習ではタイ語の簡単な日常会話も学習しました」と仙田直人校長は話されます。
現地での6日間、初日はバンコクへの移動に費やし、翌日から本格的に探究学習に取り組みます。午前中は全員で世界遺産のあるアユタヤを訪れ、タイの歴史や文化を学習し、午後からは班ごとに分かれて、企業や施設、街中などで積極的にフィールドワークを行いました。
交通班は当初「道路渋滞の解消」を課題に設定していたのですが、現地の方の話を聞くうちに「渋滞はそれほど気にならない」という意見が多く、設定していた課題自体を見直す必要があることに気づきました。
「探究学習では、事前に立てた課題を検証し、試行錯誤しながら新たな視点を見つけ出す過程こそが重要です。教員が指示を出すようなことは行いません。生徒たちはホテルに戻ってからも、課題の解決へ向けて議論を重ねていました。また、現地では各班に教員1名と、ガイド、通訳が同行し、サポート体制を整えて生徒たちとともに行動するなど、安全面にも十分に配慮しました」(仙田校長)
滞在中は、フィールドワークだけでなく、日本語学科があるアサンプション高等学校を訪問。現地の生徒と交流し、ビジネスプランについての意見交換をするなど充実した時間を過ごしました。また、バンコクで起業した日本人の方から、海外での生活や仕事についての講演を聞くなど、様々な学びを得ました。
そして最終日には、タイの日本人会、現地の企業関係者や成蹊の卒業生など約40名を招き、各班がプレゼンテーションを実施しました。先ほどの交通班は、「渋滞を解消する」のではなく、発想を転換し「渋滞時間を楽しむ」という、ビジネスプランを提案。現地調査で、アイドルやアニメを好む人が多いことに着目し、渋滞の移動時間を「推し活」の時間として活用するという提案をしました。
また食品班は、少子高齢化が進む一方で、介護食事業がまだ十分に発展していないことに注目し、健康的で栄養価が高く、おいしい介護食をタイの食材を使って提供するビジネスプランを発表しました。
「フィールドワークを進めるなかで、事前に設定した課題が解決されていたり、想定と異なる実態が見えてきたりと、多くの困難がありました。それでも生徒たちは、早朝から夜遅くまで意見を交わし、最終日には堂々とプレゼンテーションを行いました。初めての海外でのスタートアップキャンプでしたが、大きな成果を感じています。今年度は1日延長し、7日間のプログラムとして実施する予定です」(仙田校長)
議論に熱が入りすぎて最終プレゼンテーション前には睡眠不足の生徒も。
生徒たちの課題についての意見交換では、スマートフォンの翻訳アプリも活用しながら盛り上がりました。
留学生との交流と海外で育む
充実した国際理解教育
上の写真は牧場の仕事体験、下の写真は現地高校生とアボリジニの儀式に
参加したときの様子。
成蹊では、全国に先駆けて帰国生を受け入れるため国際学級を設置するなど、長年にわたり国際理解教育に力を注いできました。多様な文化や価値観に触れる機会を豊富に設けることで、国際社会で活躍できる人材の育成をめざしています。
その取り組みの1つが、海外からの留学生の積極的な受け入れです。昨年度は59名の留学生が成蹊で学びました。留学生は授業だけでなく、体育祭や文化祭などの学校行事にも参加するため、生徒たちは学校生活のなかで、多様性に触れることができます。
また、海外へチャレンジする生徒も多く、昨年度は192名の生徒が留学や海外研修に参加しました。留学先はオーストラリア、アメリカ、カナダ、イギリスなど多岐にわたり、2週間の短期留学から、3カ月間のターム留学、さらには1年間の長期留学まで、生徒1人ひとりの希望に応じた多彩なプログラムが用意されています。こうした取り組みを通じて、異文化理解を深め、国際社会で必要な視野を広げていくのです。
そして、毎年2月には留学を経験した生徒による「留学体験報告会」を開催しています。留学中に学んだことや苦労したことなどを発表する場となっており、例年約200名以上の生徒や保護者が参加します。発表を聞いた生徒は海外への関心を高め、自らも留学してみたいという意欲を抱くなど、国際理解教育への関心の高さがうかがえます。
「0to1」の理念は、留学先でも発揮されています。カナダへターム留学した生徒は、現地でおにぎりを作って販売し、その売上金を全額寄付するイベントを企画しました。
「留学の目的は英語力の向上だけではありません。文化の違いや多様な価値観に触れ、自分とは異なる考え方を理解しながら、行動する力を養うことができます。生徒たちには成蹊で育んだ課題解決力を活かして、これからの社会で活躍してほしいです」(仙田校長)
これまで見てきたように、探究活動や国際理解教育に力を入れる成蹊。自ら課題を見つけ、多くの人と協働しながら社会貢献できる人材を育成している注目の学校です。
※2026年「サクセス15」8月号掲載の記事広告を転載
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School Information
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