成蹊「0 to1(ゼロトゥワン)」活動報告!

成蹊高等学校 2025

本物に触れる学びから幅広い教養を身につけるリベラルアーツを重視する成蹊高等学校。
昨年度、探究学習として実施された学習旅行と2年目のスタートアップキャンプの様子についてご紹介します。

5つのグループで実施 第1回「学習旅行」

学習旅行のクラスプレゼンテーションの様子。

 昨年、高1の生徒が主体となって企画した学習旅行が実施されました。今回は、実施された鹿児島、長崎、愛媛、北陸、大阪の5つの学習旅行のなかから、校長特別賞を受賞した愛媛学習旅行をご紹介します。
 
 2泊3日で実施された愛媛学習旅行には仙田直人校長先生も同行。1日目はまず今治タオルミュージアムを見学し、SDGsの取り組みなどを視察。昼食は仙田校長先生もいっしょに参加し約40名全員でバーベキュー。楽しむこともこの学習旅行の目的の1つです。その後、来島展望台へ移動。事前学習で村上水軍を調べたチームもあり、多くの島が点在する瀬戸内の様子を観察し、1泊目の宿泊地「道後温泉」へ。自由時間には夏目漱石の「坊ちゃん」にでてくる道後温泉につかった生徒もいて、それぞれが温泉街を満喫しました。
 
 

学習旅行。JR予讃線「下灘駅」にて。

 2日目は松山城を攻略。城内では具足をつけ鉄砲を撃つ格好をして戦国時代を感じ、仙田校長先生による平山城(ひらやまじろ)の形態、石垣の積み方、狭間(さま)についての解説などもあり、学習旅行としての意義を実感。「坂の上の雲ミュージアム」では良き昭和の時代に浸り、JR予讃線「下灘駅」に向かいました。ここはフォトジェニックなロケーションが魅力の駅で、肩を組んで写真をとる生徒たちの姿に「青春を感じた」と仙田校長先生。2日目の宿は、四国カルスト内にある「星ふるヴィレッジTENGU」。夏の星空を解説付きで満喫し、最終日は四国カルストを見学。その規模や地形の素晴らしさに生徒たちも感動しました。最後は木蝋(もくろう)で栄えた内子町へ移動し、重要伝統的建造物群保存地区を散策後、松山空港へ。後ろ髪を引かれつつ帰路につきました。

 「学習旅行は、本来の旅のように、自ら選んだ地を楽しく巡ることができます。本校のリベラルアーツが根づいた教育の影響もあり、生徒の興味が多岐にわたるので、様々な候補地がでてきます。本物に触れることの大切さ、主体的に考え行動することの意義を実感できた旅になったと思います」と仙田校長先生。今年も5コースで実施する予定で、来年は旅程を3泊4日に拡張し、さらにパワーアップしたいと意気込んでいます。

スタートアップキャンプ In 五島列島【第2回】

 一昨年に続き昨年も「スタートアップキャンプ」(4泊5日)を五島列島の福江島で開催。一昨年参加した12名の生徒の口コミなどもあり、昨年は40名を超える応募があり、宿の都合などから、24名が参加しました。スタートアップキャンプの目的は、まさしく「0to1」。事前学習でテーマを決めて、現地で取材やフィールドワークを行い「五島でいまなにが課題になっているか」、「必要なものはなにか」などを考えその解決策を提案する実践型の探究活動です。

 初日は観光し、2日目には現地の五島高校が行っている地域探究型課題研究「バラモンプラン」に参加し、生徒たちとのディスカッションを実施。同じような課題を設定するチームもあり、活発な議論が生まれました。また、異なる地域の同じ世代の人の意見や考え方に触れることができ、生徒たちそれぞれに新しい発見があったようです。その後、実際に五島でスタートアップをされている方の講話を聞いてモチベーションを高め、いよいよ医療・教育・観光などのテーマに沿って実際の現地取材がスタート。島内の病院・市役所・観光協会などを訪問し、それぞれの課題を探ります。取材後は宿に戻り、チームでのブレインストーミング。これらの活動を2日にわたり行いました。

 「宿泊した『セレンディップホテル五島』にはブレインストーミングやプレゼンテーションを行う環境が整っており、生徒たちは『こんな長い時間をかけて1つのことについて話し合いをしたことがない』というほどブレインストーミングを重ねていました。訪問した五島高校の生徒たちも放課後になるとブレインストーミングに参加してくれるなど、生徒たちは大変充実した時間を過ごしたと思います」と仙田校長先生。

スタートアップキャンプ、鬼岳での集合写真。

 そして滞在4日目は、いよいよ関係者へのプレゼンテーション。今回は「特産品である五島牛を低コストで生産できる取り組みを行い、畜産農家を増やしていく」「水素吸入で、五島の医療を救おう!」「『GOTO FISH FES』を開催して、『冬こそ五島へ』を実現」など全部で6つの成蹊プランを提案。質疑応答では好意的な意見が多く寄せられ、とくに「冬こそ五島へ」というフェスを実現したいという声が上がりました。それを受け、時期こそ異なりますが、今年の夏に「五島、ひと夏の大学」というフェスを開催することになったそうです。

 「今年度も3回目のスタートアップキャンプを五島で実施予定です。今回は、行政にも協力をあおいで、実現可能なプランをいくつか提案できればと考えています」と仙田校長先生。次年度以降は海外で実施することも視野に入れ、新しいプログラムを検討中です。

五島高校の生徒もブレインストーミングに参加。

多様な価値観を共有し、広い視野で進路を考える

 成蹊は、戦前からの帰国生の受け入れや留学制度、国際理解のプログラムも充実しています。語学を学ぶだけでなく、歴史や宗教、文化、人との交流など、目的を持ったプログラムを選ぶことができ、その活動範囲はさらに広がっています。

 「本校には帰国生、留学生、留学から戻ってきた生徒などが常にいます。多様な考えを持った生徒が身近に常にいることで、広い視野で自分の進路を考えることができるのではないかと思います。グローバルな学習環境も整っていますので、ぜひ一度、成蹊に足をお運びいただければと思います」(仙田校長先生)

学校説明会情報はこちらから!

※2024年「サクセス15」8月号掲載の記事広告を転載

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