平和学習から始まった世界とのつながり
成城中学校 2027
沖縄への修学旅行など平和学習を実践している成城中学校。高2の田口征志郎さんは、
昨年核兵器廃絶と平和な世界の実現を訴える活動を行う第28代高校生平和大使の1人に
選抜され、国内外で精力的に活動しました。同じ志を持つ仲間との出会いや国連欧州本
部への訪問を通して得た学び、そして将来への思いについてうかがいました。
沖縄の修学旅行や平和学習が
高校生平和大使の活動の原動力に
1885年の創立以来、自学自習や自治自律の精神を教育の柱としている成城中学校(以下、成城)は、生徒1人ひとりの興味を広げ、探究心を育むことを教育の基本理念に掲げています。
高2の田口征志郎さんは、昨年、第28代高校生平和大使として国内外で平和活動に取り組みました。高校生平和大使は、核兵器廃絶を求める署名活動やジュネープの国連欧州本部への訪問などを行っています。
「高校生平和大使に応募したきっかけは担任からのすすめですが、中3の修学旅行で沖縄の『ひめゆり平和祈念資料館』に行ったことは、大きな影響がありました。また、中1の事前学習で、生徒会の自主制作映画『無限の瞳』を観たことも印象に残っていました。成城の先輩が制作した被曝に関する内容だったので身近に感じ、核兵器や原爆についてもっと学びたいという気持ちが生まれました」と田口さんは話します。
仲間との交流で深まった平和の実現への思い
高校生平和大使は、面接やスピーチ、小論文での選考を経て、1年ごとに各地の代表者が選ばれます。昨年は、田口さんを含む24名の高校生が選抜されました。同じ志を持った同世代の仲間たちとの交流について田口さんは、「英語が堪能な人や、核兵器に関する知識が豊富な人、ニューヨークの国連本部でスピーチをした経験のある人など様々な仲間がいました。そうした人たちと接したり 、意見を聞いたりするうちに、平和の実現をめぐる問題への理解が深まっていきました。この活動を始めたころと比べると、自分自身がとてもたくましく成長できたと実感しています」と、力強く話されます。
また、印象に残っている活動が、国連欧州本部への訪問だという田口さん。1年間かけて集めた核兵器廃絶を願う署名を届けることが大きな目的で、田口さんの代では11万1071筆もの署名を提出しました。全国各地で試行錯誤を重ねながら、署名活動を行うことで、たくさんの学びを得たそうです。
「高校生平和大使として活動するなかで、JICA平和構築室の大井綾子室長と対談をしたのですが、紛争の多くは不満や不安を抱えている状態から始まるという話が印象に残っており、改めて世界の平和のためになにができるのかを考えるきっかけとなりました。私は、お互いが歩み寄る姿勢で対話を重ねることがその実現に近づくのだと信じています」(田口さん)
将来の夢につながる海外研修と成城での学び
成城は、オーストラリアや台湾でのグローバルリーダー研修、ニュージーランド・ターム留学、カンポジアで行うPBL(※1)型の「カンボジアキャラバン」など海外研修も大変充実しています。田口さんは、中3でオーストラリア・グローバルリーダー研修、高1でニュージーランド・ターム留学に参加しました。
「これまでに培った英語力を試したい気持ちがあったことも、高校生平和大使の活動に興味を持った理由の1つでした。中高生のうちに海外で学べる機会が多いのが、成城の魅力だと思います。ホームステイ先では、言業が出てこないこともありましたが、身振り手振りを交えながら伝えようとすることが大切だと気づきました。積極的に話しかけるうちに友達も増えて、英語でコミュニケーションを取る自信につながりました。異文化に触れたことも、貴重な経験となりました」と話されます。
これらの経験は、国連軍縮研究所(UNIDIR)での高校生平和大使によるプレゼンテーションにも活かされました。田口さんは、「英語でプレゼンテーションするのが初めてで、あれほどの大舞台に立つ機会もなかったので、とても緊張しました。メンバーとは被爆の実相とその思いをどう伝えるか、何度もミーティングを重ねました。国際舞台にふさわしい英語力を求められ、プレゼンテーションには苦戦しましたが、とてもいい経験になりました」と、当時を振り返ります。
最後に、田口さんのこれからの目標についてうかがいました。
「高校生平和大使の活動で訪れた世界YWCA(※2)での意見交換で、心に残っているのが『自分自身の価値を信じる』という言葉です 。相手の話に耳を傾ける対話はもちろん、自分の信念も持っていなければならないと感じました。私には将来、宇宙飛行士になりたいという夢があります。国籍や文化の異なる人がいっしょに働くためには相手を理解する対話が大切ですし、英語でのコミュニケーション能力も求められます。成城で学んだことや高校生平和大使としての経験を、将来にしっかりと活かしていきたいと思っています」
※1 PBL=Project Based Leraning
※2 YWCA=Young Women’s Christian Association
Teacher's Voice
田口さんが高1のときのクラスのスローガンが「未知なる世界に飛び込む勇気を」で、その言葉通り、彼は自らの挑戦や海外研修によって多くの学びを得ました。これからも社会に問いを立て、多様な考え方を受け入れ、自分なりの考えを見つけていってほしいと思っています(理科教諭 生徒会係主任 岡本拓也先生)
※2026年「サクセス12」9・10月号掲載の記事広告を転載
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