体験をつうじて将来の可能性を広げる
日本女子大学附属中学校 2025
「自学自動」の精神のもと、生徒の主体的な学習姿勢を育む日本女子大学附属中学校。
個性を伸ばす学習プログラムのなかから、理科教育と情報教育について紹介します。
実験と観察を重視した理科の授業
日本女子大学附属中学校(以下、日本女子大附属)の理科教育の特徴は、年間で40回を超える実験・観察を行うことです。一人ひとりに実験器具が用意され、作業のようすをICT機器を用いて記録し、それぞれの結果を比較しながら考察します。
國澤恒久教頭先生は「授業ではかならずしも、教科書どおりの結果が得られるとはかぎりません。ただ、失敗も知識を深めるためには大切です。ばらつきが生じた原因を考える活動からも、新たな学びを得られるでしょう」と話されます。体験をとおして知識を身につける理科教育の成果は卒業時の進路にも表れており、近年では理系学部へ進学する生徒が全体の4割に上っているといいます。
同校では早期から大学での学びをイメージできるよう、日本女子大学と連携したプログラムも多数用意されています。夏季休暇中の「理学部サマースクール」(全学年希望者対象)や、各学部が中学生向けに開く講義から、好きなものをふたつ選び参加する「目白で学ぶ1日」(中3対象)など、実際のキャンパスで勉強できる機会が豊富です。高校では、希望学部が明確になっている生徒向けに、科目等履修生制度が設けられていることも大きな魅力でしょう。
「正しい理解」をうながす情報教育
さらに日本女子大附属は、情報教育にも力を入れています。授業はNPO法人の協力のもとで行われ、プログラミングや生成AIを勉強します。街中に多くある、センサーで光るライトの仕組みをプログラミングをとおして理解したり、生成AIを相手にディベートの練習をして、自分の主張の弱点を見つけたりするなど、ふだんの生活に即して、技術を「道具」として使う方法を学ぶことが意識されています。
「プログラムで動くものは身のまわりにあふれていますし、生成AIもすでに生徒の手の届く範囲にあります。新たな技術によってできたものをただ消費するのではなく、目的意識を持って体験したうえで、正しく理解することが肝心なのではないでしょうか。『おもしろい』と感じられたら、IT分野をより身近に思えるでしょうし、将来の道のひとつとして開けてくるものがあるはずです」と國澤教頭先生。仕組みの理解と技術の活用の双方を学べる独自の取り組みをつうじて、生徒たちはますます興味関心の幅を広げていきます。
「理数教育だけでなく、自分を表現する作文教育や、ヴァイオリンによる情操教育など、本校は『楽しい』『やってみたい』と感じるものと、かならずであえる学校です。さまざまな分野をバランスよく学べる環境で多くのことに触れながら、じっくりと自分が夢中になれるものを見つけていってください」(國澤教頭先生)
※2025年度入試用「中学受験 合格ガイド」掲載記事より転載。
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