佼成学園女子中学校

　自ら学び、考え、行動する力を育成する21世紀型教育を強く推進する佼成学園女子中学校（以下、佼成女子）。その教育活動の原動力になっているのが「英語の佼成」と言われる高い英語力です。

　２０２０年度大学入試では、その高い英語力で、国公立大学23名、早慶上智32名の過去最高の合格者を出しています。そのなかでも特筆すべき点は、新しい形の高大連携を進める上智大学に、20名の合格者を出したことです。2019年11月に佼成女子で行われた上智大学曄道佳明学長の講演とワークショップに触発された多くの生徒が受験した結果が、今回の合格実績に表れたようです。

　この難関大学合格者増の背景にあるのが、佼成学園（男子校）と共同で実施しているトップレベル講習です。難関国公立大をめざす男女それぞれ15名を選抜し、チーム一丸となってお互いを励まし合いながら受験に臨みます。2020年はお茶の水女子大学、過去には大阪大学や東京外国語大学などに合格しており、東京大学をめざす生徒も少なからずいるようです。

　また、夜8時30分まで利用できる講習室では、大手予備校の講師が行う大学受験講座を受講できるので、校内予備校として多くの生徒が利用しています。講習室には難関大学へ進学したあこがれの先輩たちがチューターとして毎日常駐して受験指導にあたってくれるので、生徒は高いモチベーションを持ったまま受験に臨むことができます。

　佼成女子の英語は、少人数による3段階の習熟度別授業が行われています。中1では、帰国生の取り出し授業などはせず、英語経験者（英検3級以上取得者）1クラスと未経験者2クラスに分かれて、それぞれに英検取得目標級を設定したレベル別授業を行います。

　20年以上続くイマージョン教育も佼成女子の魅力のひとつです。美術と音楽をネイティブによる英語イマージョンで行うことで、佼成女子がめざすＳＴＥＡＭ教育の根幹が形成されていきます。そして、中3の1月にこれまで学んだ英語の集大成としてニュージーランド修学旅行（６泊７日）を実施しています。希望者はそのままニュージーランドで2か月間の中期留学に参加することもできます。

　また、全校をあげて実施する「英検まつり」では、持続性・協調性といった女子校ならではの特性をいかした学習方法で、クラス単位で英検にチャレンジしています。２０１９年度の中1から高3の結果は、1級4名、準1級31名で、そのうち1級の4名と準1級の11名は中学からの入学者です。２０１７年度には全国の私立学校1校のみに贈られる英検「ブリティッシュカウンシル賞」を受賞するなど、全国でもトップクラスの英語実力校です。

高校課程は次の3つのコースから選択することができます。

【国際コース】には、『留学クラス』と『スーパーグローバルクラス』があります。

『留学クラス』は、ニュージーランドの高校に全員が1年間留学するクラスです。留学準備プログラムも万全で留学中は現地駐在スタッフが生徒の日々のサポートをします。親元を離れてのホームステイで、圧倒的な英語力と人間力が養われます。
『スーパーグローバルクラス』は、課題研究を通じて主体的な研究力・課題解決力を養います。カリキュラムは特進コースと一緒で国公立大学受験にも対応しています。2年次のタイフィールドワーク、3年次の英国ロンドン研修を柱に、世界で生き抜くための「国際感覚」を養います。

ハイレベルな授業で難関私立大・国公立大への合格をめざすコースです。放課後講習（校内予備校）を有効に活用し、理系志望者は1年次から数学と理科の特設授業を受講することができます。

勉強だけでなく部活動にも全力で取り組みたい生徒のためのコースです。豊富な指定校推薦とＡＯ入試で、毎年多くの生徒が希望の大学へ進学しています。ハンドボール部・バスケットボール部・吹奏楽部が強化部活動に指定されています。

　佼成女子では、２０２０年度よりいくつかの教育改革に取り組んでいます。その代表的な取り組みが、宗教の枠を超えた上智大学との提携、ロケーションを活かした成城大学との提携です。

　上智大学とは、表面的な提携だけでなく、入学前の単位認定や研究の継続など、真の高大連携をめざします。成城大学とはロケーションを活かした施設・講義の共同、学生・生徒同士の学びの共有などを行っていく予定です。

　学内の改革としては、中間試験を廃止し、新たな評価システムを取り入れます。中学ではチーム担任制を導入し、3人の教員が2クラス全員を見守ります。今回の新型コロナウイルスによる休校期間中も教員が協働し、先端と従来のデバイスの併用で、丁寧かつ細やかなホームルームを行い、対面時に近い個人面談やクラス運営ができたようです。さらに探究学習の推進、地域とコラボした新しい部活動の推進、オンライン授業の推進など、佼成女子が強く推進する21世紀型教育を実践するための改革を進めていきます。

　「今回の改革では、教職員のマインド変化により、学校の中で想定外の良い形の変化が起こっています。今回の改革が新たな変化と大きな流れを作り、これからも続くと考えています。２０２２年度には京王線の連続立体交差事業を機に、千歳烏山駅周辺の地域開発が始まります。本校でもこの地域開発で何が果たせるのかを真剣に考えていきたいと思います」（宍戸校長）

※2020年「公立中高一貫校ガイド」掲載の記事広告に一部加筆・修正して転載。