傾聴と承認は桐蔭学園の文化! ~生徒とともに築きあげる新しい進学校のカタチ~

桐蔭学園中等教育学校 Vol.3

4年前に男女共学の新たな進学校として生まれ変わった桐蔭学園中等教育学校。アクティブラーニング型授業をベースに、教育ビジョン「自ら考え判断し行動できる子どもたちの育成」に向けて様々な教育活動を実践しています。

校内マップを使った探検ゲームの様子

「探究=未来への扉」で始まる桐蔭学園の新たなチャレンジ

桐蔭学園中等教育学校(以下、桐蔭学園)では、相手の話にしっかり耳を傾ける「傾聴」、聴いた後は相手に拍手を送る「承認」を大切にする教育を実践しています。そのため生徒たちは互いを認め合い、学校全体が共に学び合う仲間として成長していくという新しい文化が根付いています。

「4年前に共学になったことでさらに多彩な個性が集い、生徒たちがますます生き生きと活動的に変わりました。授業でも課外活動でも主体性を持ち、いろいろなことに自信を持ってチャレンジしています」と生徒たちの変化を宮本香菜子先生は頼もしげに話します。

そんな変化を象徴するのが、入試後の2月12日に行われた新入学予定者登校日です。本来は、入学の意思確認、制服の採寸などが目的の登校日ですが、桐蔭学園では、〝みなさんを待っていました〟という歓迎の気持ちを伝えようと、在校生たちが自らユニークな企画を出し合い、準備して行われました。

当日は、桐蔭学園のマスコットキャラクター「キリリン」も登場し、女子生徒会長の掛けあいでイベントがスタート。桐蔭学園は敷地が広く、体育棟も、体育館、ダンス場、剣道場、温水プールなど用途ごとに分かれているため、新入生の頃は迷子になってしまったという在校生も。そんな経験から「必要な情報を全部盛り込んだ地図を作ってあげよう」と、自作の校内マップを新入生全員に配布しました。この校内マップを使って始まったのが、探検ゲームです。

「とても広くて、扇型で、机がたくさん並んでいて、近くに噴水があるのはどこでしょう?」という問題に、新入生はマップを指で追ったり、同伴した保護者と相談したりと楽しそうにゲームに参加していました。入学前に広い学園内をマップ上でたどることで、入学後にちょっとでも安心して移動できるように、との在校生の思いから企画されたゲームです。

このイベントで活躍したのがメインツールとして使用したiPad です。今年度もほとんどのコンテンツがiPadで自主制作されていて、すでに学校生活では欠かせないものになっています。最後に、今日のイベントは生徒自らが企画・制作したことを伝えると、「保護者の方は、ごく自然にICT ツールを使いこなしている生徒の様子に感心されていました。先生より詳しかったりしますからね」
と少し嬉しそうな宮本先生です。

江口 祥子先生と宮本 香菜子先生

メンターを見つけよう!
メンターになろう!

桐蔭学園では、中1・中2合同で「メンターを見つけよう/メンターになろう」という企画を実施しています。この企画は、1年生がメンティとなり学校生活や私生活の悩みをメンターの2年生に相談できる交流会です。

「新中等教育学校の1期生(現4年生)は、先輩がいなかったこともあり、1年生の時は不安がいっぱいあったのだと思います。そこで、自分たちが2年生になったとき、今度の1年生も私たちと同じように不安があるのではないか、じゃあ私たちが話を聴こう、力になろう、という思いで、2年前からこのメンター企画が始まりました」とふり返る江口祥子先生。

当時、コロナ禍で6月まで登校できなかったため、なんでも相談できる先輩を見つけて、少しでも学校生活の不安を和らげてほしいという思いでこの企画をスタートしたそうです。メンター企画は、同性の1年生と2年生が4人ずつ1つのグループで行われます。気が合って話がしやすい先輩・後輩が出会うことを目的に、1年生が5分ごとに入れ替わり話を進めていきます。

1年に3回、6月・10月・2月のロングホームルームで実施するものです。「6月は、1年生はまだ考査を受けたことがなかったので、どう勉強すればいいのか、家でどう過ごせばいいのかなどを質問していました。さらに女子同士は『恋バナ』など、先生には話せないプライベートなことも相談していたようです」(江口先生)
1年生からは「自分の話を5分間、じっくり聴いてもらえるのが嬉しかった」という声やこの企画の後も気の合った先輩と話を続ける1年生も多くいたそうです。

また、イベントを重ねていくと、相談を受ける2年生への影響も大きく、「たくさん後輩にアドバイスしたけれど、自分ができていることは1つもなかった。すごく恥ずかしいからもっと頑張ろう」といった予想外の効果も現れたそうです。「思っていたことを言語化し、客観性が出たことで、『自分はこれでいいのか?』と思うのでしょう。後輩に言ったからには自分もやらなければいけないですからね。面白いのは、男子同士はライバルのように刺激し合い、女子同士はちょっとした悩みを共有し、友達のように共感し合うことでした」(江口先生)。

「傾聴と承認」を大切にする桐蔭学園。男女の広い視点を取り入れながら、生徒が自主的に課題を見つけ、提言し、新しい学園を創り上げていく活動を続けています。

※2022年「サクセス12」7・8月号掲載の記事広告より転載。

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