AI教育と里山プロジェクトで広がる学び

桐蔭学園中等教育学校 2027

今春、共学2期生が卒業し、多様な大学・学部への進学を実現した桐蔭学園中等教育学校(以下、桐蔭学園)。
その背景にあるのは、「ありたい自分」を見据えた教育です。
今年度からAI教育を本格導入し、里山を舞台にした新プロジェクトも始動。
自ら考え、判断し、行動できる力を育む新たな挑戦について、玉田裕之校長にお話をうかがいました。

里山プロジェクト

AI教育をさらに推進し、新時代を生きる力を育む

Q 今春、共学2期生が東京大学1名を含む国公立大学に46名、国公立・私立大学医学部医学科に36名が合格するなど、多様な合格実績を残しています。この結果をどのように受け止めていますか。

【玉田校長】共学1期生は、「6年間のロードマップ」を経て、大学の偏差値や知名度にとらわれず、「ありたい自分」を見据えた進路選択を実現してくれました。その姿を見て成長してきた2期生たちも、個々に納得のできる進路を切り開いてくれたのだと思っています。

Q 多様な進路実現につながった要因はなんだとお考えですか。

【玉田校長】やはり5年生(高2)で実施するプレゼン型三者面談が大きな転機になっていると思います。従来の進路面談とは異なり、生徒が保護者と担任に対して自分の意志を伝える面談です。自分と社会のウェルビーイングのために、大学そしてその後の社会でどのように自分の力を発揮したいかを保護者と担任に真剣にプレゼンします。
 そのため、「あの有名大学に入れれば、学部はどこでもいい」という考えは自然と生まれてこなくなるのです。教員も同じで共学化以前の、いわゆる旧来の進学校的指導を志向することはほとんどないといっていいでしょう。

Q 今年度から探究の授業にAI教育を取り入れているそうですが、その背景をお聞かせください。

【玉田校長】これから生徒たちが生きていく時代は、私たち大人が誰も経験したことのない新しい時代です。そのため、いま私たちがしなければいけないのは、経験を伝えるだけではなく、協働力、キャリアデザイン力、探究力など変化の激しい社会を生き抜く力を育むことです。新しい時代には、 AIを正しく知り、活用する力を身につけることは不可欠で、学校がその教育に遅れるわけにはいきません。

 また、今年度からのAI教育導入の背景には、早いうちからキーボード操作に慣れてほしいという狙いから、使用する端末をChromebookに変更したこともあります。Google の各種アプリやツールを活用した次世代型の学びを進めていきます。

Q 授業ではどのようにAIが活用され始めているのでしょうか。

【玉田校長】本校では学びの3本柱として、「アクティブ・ラーニング型授業」「探究(未来への扉)」「キャリア教育」を掲げています。そのなかの「探究」の授業では、新1年生からAI教育を導入しました。最初のうちはプロンプトの書き方などを学びます。AIが答えを簡単に出してくれる時代だからこそ、問われるのは「質問をする力」です。「この問題の答えを教えて」と伝えれば、簡単に答えを知ることはできますが、成長にはつながりません。

 一方、「この問題の解き方を教えて」と能動的に質問をすれば、解答のプロセスを理解し、自ら学ぶ力を伸ばすことができます。本校が育てたいのは、「自ら考え判断し行動できる子どもたち」ですので、そのためにAIを有効に活用するヒントを学んでほしいと考えています。ほかには6年生の進路指導などにも活用しており、各学年・各教科で様々な場面においてAIを使い始めています。

Q AIの活用にあたり、どのようなルール設定をしているのですか。

【玉田校長】Chromebookを導入するとき、私が各クラスを回ってルールを1つだけ伝えました。それは、「自分や自分たちの学習や生活をより良いものにするために活用する」ということ。AIについても同様です。もし、このルールに適さない事例があれば、教員もかかわりながら学級委員を中心に話しあい、必要に応じてルールを作っていきます。

 また、AI教育を導入するにあたり「テクノロジーの活用に関する六者協議会」を発足しました。生徒、学校、保護者、地域、企業、有識者の情報交換の場を設けることで、より安全で有効な使い方を考えていこうと思います。

Chromebookを使っている様子
プレゼン型三者面談

GREEN×EXPO2027(国際園芸博覧会)への参加に向けて

Q 豊かな自然を活かした、「里山プロジェクト」とはどのような取り組みでしょうか。

【玉田校長】授業で積極的にAI教育を取り入れているからこそ、大切になるのが「身体性をともなうリアルな体験」です。本校の敷地内やその周辺には、いまも里山の環境が残されています。その里山をフィールドワークの場として、生徒たちのアイデアをもとに様々な活動を行うのが「里山プロジェクト」です。
 教科学習を超えたアフタースクールの一環として実施しており、先日は1〜4年生の80名ほどが参加し、里山の竹を切り出し、竹炭作りや焚き火体験を行いました。楽しみながら自然とSDGsの課題に向きあうことで、自分たちになにができるかを考えるきっかけになればと願っています。

 いまは、2027年に横浜市・上瀬谷で開催されるGREEN×EXPO2027(国際園芸博覧会)への参加に向けて、4年生を中心に里山の再生に取り組んでいます。

Q 最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

【玉田校長】桐蔭学園はアクティブ・ラーニング型授業などを導入し、夢中になれる楽しい学びのなかで学力と人間性を伸ばす「新しい進学校」として、進化を続けています。ぜひ9月の鸞鳳祭(学園祭)や学校説明会などの機会を通じて、いきいきと学ぶ生徒たちの姿を実際に見ていただけたら嬉しく思います。

玉田 裕之校長
アクティブラーニング型授業の様子

※2026年「サクセス12」9・10月号掲載の記事広告より転載。

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