コロナ禍に負けず生徒の心を育てる

青稜中学校

中学受験情報誌『サクセス12』5・6月号の「クローズアップ‼」にて、青稜中学校の様々な魅力をお伝えしました。
ここでは、誌面でご紹介しきれなかった「コロナ禍の取り組み」に焦点を当ててお話を伺っていきます。

建学の精神に「社会に貢献できる人間の育成」を、それをかなえるための行動目標として「3C」を掲げている青稜中学校(以下、青稜)。

「Change(変化)・Challenge(挑戦)・Contribution(社会貢献)」で構成される3Cは学校生活のあらゆる場面で軸となっており、生徒だけでなく教員もつねに意識して行動しているといいます。

今回は2020年度より校長に就任した青田泰明先生に、コロナ禍での取り組みを中心にお話を伺いました。

——新型コロナウイルス感染症によって様々な活動が制限された2020年度でしたが、どのような影響がありましたか?

青田泰明校長先生(以下、青田校長先生):本校も3カ月程度の休校を余儀なくされ、オンライン授業やオンライン面談などICT機器を活用した教育活動を進めてきました。今回のことがなければ、これだけICT教育に注力することはなかったかもしれませんから、そうした面では得たものも多かったといえると思います。

学習の面では一堂に会して勉強することができない分、Zoomで自習用ミーティングルームを作るなど、いっしょに勉強することでのチーム効果を狙った取り組みも行っていました。

画面にはそれぞれの手元しか映らないのですが、「友だちがまだ勉強しているなら私も」と生徒のモチベーション喚起に役立ったようです。

オンライン授業撮影の様子

学校行事が続々中止に……壁にぶつかった「心の教育」

——休校期間中の教育では、どんなところに難しさを感じましたか?

青田校長先生:これまで「ICT機器を利用したらスムーズに授業を進められるのではないか」「タブレットを使えば双方向(※)型授業がうまくいくのではないか」と、ICT機器をなんでもできるマジックアイテムのように考えている節が教育業界全体としてありました。

しかしフタを開けてみると、「この使い方は効果的だ」「この科目には向かないな」というのがはっきりとみえてきたんですよね。オンラインでできることのよさがわかると同時に、限界もよくわかったというか。

なかでも、本校が教育の柱の1つとして取り組んでいる「心の教育」については、大きな穴が開いてしまう恐れがあるとも感じました。

※双方向型授業……教員と生徒が双方向にやり取りをしながら進む授業スタイルのこと

——「心の教育」としては、例年はどのような取り組みをなさっていたのでしょうか?

青田校長先生:例えば、東日本大震災の被災地を訪問してボランティア活動をする「東北研修」、牧場・農場での自然体験やスキー、ハイキングなどの「自然教室」を行ってきました。私立学校として様々な行事を用意するなかで、一貫して大切にしているのは「多様性の理解」という点です。

集団生活が得意な生徒もいれば苦手な生徒もいます。泊りがけの行事もありますから、摩擦が起きるのは当然として、そこからどうやって協働していくかを学ぶことで、多様性や共生することへの理解を深めてほしいんです。

それが、私たちが用意している「心の教育」の狙いとなっています。

生徒発案の青稜らしい取り組みで危機を乗り越えた

——コロナ禍で宿泊を伴う行事などが中止となるなか、そうした教育はどのように進めてこられましたか?

青田校長先生:「できない行事があるのは仕方ない、それじゃあ代わりになにをしようか?」と呼びかけ、生徒たちにはポジティブに考えてもらいました。

ある学年は中止になってしまった体育祭を小規模で実行しようと、その学年だけでの実施に向けて動いていましたし、文化祭はできなくてもその前夜祭と後夜祭だけ開催させてほしいという要望もあがりました。

感染者が再度増加したためいずれも実現にはいたりませんでしたが、こうした生徒からの発案は積極的に許可するようにしています。とにかく「考えて提案すればうまくいく」という経験を積ませたいので、この自粛期間をチャンスにしようと考えました。

協調性の涵養や多様性の理解といった、本校が「心の教育」の狙いとしている部分については、これらの動きのなかである程度、補完できたのではないかと手ごたえを感じています。

冒頭にもあったように本校は行動目標の1つに「挑戦」を掲げていて、常日頃からその重要性を言葉と行動の両面から生徒に伝えてきました。こうした土壌があったからこそ、様々なアイディアが生徒から発案されたのだと思います。

——オンラインでのやり取りが多くなるなかでトラブルなどはありませんでしたか?

青田校長先生:やはり文字でのやり取りが多くなったことで、生徒間でのトラブルが増えたという報告はありました。どうしても言葉がきつくなってしまう、対面で会う機会がないため謝りにくい、といったことが原因だったようです。

そこで、生徒の提案で「仲直り専用ラインスタンプ」を作ることにしました。本校のマスコットキャラクターである「ふたばさん」を使用し、「ごめんね」「言いすぎた」「どっちの言うこともわかるよ」などのセリフが入ったスタンプです。

なかには「そんな事より宇宙について語り合おう」というユニークなものや、「宿題やろ?」といった日常的に使えるものもあり、これらを含めて生徒が考えてくれました。

スタンプ制作に限らず、生徒たちが「やりたい」と思ったことを、教員も全力でいっしょに楽しんでいく姿勢を見せたいと思っています。

生徒さんがセリフを考案したラインスタンプ

——最後に、読んでいるみなさんへメッセージをお願いいたします。

青田校長先生:新しいことが好きな人、おもしろいことをやってみたい人にはぴったりの学校です。みなさんの期待にしっかり応えられる環境を整えていますので、気になった方はぜひ一度本校にいらしてみてください。

新しいことやおもしろいことに挑戦できる学校

従来から取り組んできた「心の教育」の本質を見極め、休校期間中も工夫して継続してきた青稜。逆境に負けず楽しんで学校生活を送れる雰囲気は、大きな魅力といえるでしょう。

今回紹介した以外にも、「3C」を体現していくための様々な仕掛けが青稜には用意されています。詳しくは中学受験情報誌『サクセス12』5・6月号(4/30発売)でご紹介していますので、そちらもぜひご覧ください。

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