聖園女学院中学校 2024

　聖園女学院中学校（以下、聖園）では、カトリック校ならではの中高大連携の取り組みを進めています。東のカトリック総合大学・上智大学とは、２０２２年度に教育連携校となりました。春期講習として外国語学部・和泉伸一教授による出張講義が行われるなど、受験を控えた高校生だけでなく、中学生のうちから先輩と一緒の場で刺激を受け、自分の進路をじっくりと探究していける点も中高一貫校の魅力のひとつです。

　和泉教授の講義は英語で行われ、普段の学習の成果を発揮しながら、質疑応答を楽しむ生徒の姿がみられました。「学校の授業と大学の学びがつながっていることを実感した」「失敗を恐れずに、英語を積極的に使っていきたい」という感想そのままに、英語学習のモチベーションをますます高めていました。

　上智大学四谷キャンパスにも足を運び、理工学部荒井隆行教授の指導も受けています。講義やコンピュータ室での実習、施設見学など盛りだくさんのプログラムに参加した生徒は、めったに体験できないような、最新の設備と技術に触れて目を輝かせていました。「文系理系に垣根がないことを知りました」という率直な感想があがったことも、大きな収穫のひとつです。

「本校では、中・高を通して文・理などの志望分野によるクラス分けをしていません。進路を『人生そのもの』と考えている私たちにとってはごく自然なあり方です。自分と向きあい、家族や周りの人を知り、少しずつ社会に対する理解を深めていった先に『将来どんな自分になって、『使命』を果たしていくのか』を見いだしていく。一人ひとりの背中を押せるような取り組みを、今後も続けていきます」（鐡尾千恵先生）

　聖園は、名古屋にある西のカトリック総合大学・南山大学を中心として幼稚園～大学院を擁する学校法人南山学園の一員です。昨年の夏休みには中３から高３を対象として南山大学 国際教養学部・人文学部・経営学部・理工学部教授による進路特別講座が開講され、昨年秋にも中３向けに模擬講義が行われました。

「心理と人間関係」「絵本を通した異文化コミュニケーションとSDGs」など、身近なテーマを出発点にした講義やワークショップを通して、生徒たちは「コミュニケーションは誰かが我慢するためのものではなく、互いに伝えあうもの」「いちばん好きな本は、自分自身が何者であるかを少なからず表現している」など、新たな視点で物事をとらえるようになっています。

　聖園から南山大学へは毎年40 名の推薦枠が設けられ、年々、進学を希望する生徒が増えています。

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