2025年度より「ファイナンシャルセンター」開設!
富士見中学校 2026
~お金と賢くつき合い、世界とつながる~
時代に応じた教育を追求し、具現化するために「探究・金融・芸術」を学びの柱におく富士見中学校高等学校(以下、富士見)。
今年度より「金融教育」を実践するために立ち上げた「ファイナンシャルセンター」についてセンター長の藤本亜紀子先生にお話をうかがいました。
教科書には載っていないリアルな「お金」を学ぶ場所
Q「ファイナンシャルセンター」の役割についてお聞かせください。
本校の創設者である山崎種二は米問屋の丁稚奉公からスタートし、倉庫業、証券業へと進出して成功を収めた人物です。また、私財を投じて日本初の日本画専門美術館「山種美術館」を創設しています。そこで本校では、創設者の建学の理念を体現するため、「探究・金融・芸術」をテーマにした新たな学びを展開することとしました。そのなかの1つ金融教育の実践のために今年、立ち上げたのが「ファイナンシャルセンター」です。まだ始まったばかりですが、2週に1度の「ファイナンシャルタイムズ」の発行や、「ストックマーケットゲーム」という疑似投資体験、金融業界で働く方をお招きした講演会などを行っています。
Q「ファイナンシャルタイムズ」の内容についてお聞かせください。
記事内容を中1・中2と中3~高3に分けて発行しています。中1・中2ではカレーライス物価指数やビッグマック指数などを示し、まずはお金の価値観や身近にある経済を学ぶことを大切にしています。中3~高3は、暗号資産や金利、為替といった、より深掘りしたテーマで、現在の社会情勢に沿った内容を重視しています。ファイナンシャルタイムズの発行は4名の教員で担当していて、それぞれが数学科、家庭科など各教科の特色を出したテーマを取り上げるよう工夫しています。
私は英語科の教員ですが、以前は証券業界や外資系金融業界で働いた経験があり、イギリスの大学院で経営学修士を取得しました。海外で長く暮らしたあと大学に戻って英語教員免許を取得し、教員として働き始めたのですが、そのきっかけは生徒たちに単に英語を習得してほしかったからではなく、その力をもとに海外でも活躍できる日本人女性を育てたいという思いがあったからです。金融業界や海外生活での自身の経験をふまえ、生徒たちに興味を持ってもらえそうなテーマはなにか、日々頭を悩ませています。教科書に載っているような内容だけでなく、より実践的でリアルな話題を取り上げるよう心がけています。
金融教育はキャリア教育進路選択のヒントにも
Q「ストックマーケットゲーム」で生徒さんたちはどのようなことを学ぶのでしょうか。
1000万円(仮想通貨)を株式教科書に投資し、約4カ月間の運用成績とレポートにする分析力を競い合うのがストックマーケットゲームです。中2から高2の希望制で、今年は60名ほどの生徒が数チームに分かれて参加しています。チームで選んだ社会問題を解決するための投資対象企業を選んだり、調べたりすることを通じて、生徒たちはアンテナを広く張り、現代社会で起きている問題や抱えている課題を自分事として考えられるようになっていきます。
「金融教育」というと狭いテーマに聞こえるかもしれませんが、実は「キャリア教育」という側面もあり、私たちはこれを非常に重視しています。生徒たちは企業を調べていくうちに、中高生でも知っている企業から、名前も知らない企業まで、社会には様々な企業があり、それぞれが支え合って特色ある事業を展開していることを学びます。これらの経験が将来の進路選択の際のヒントになっていくはずです。
Q「ファイナンシャルセンター」の取り組みへの生徒さんの反応は?
本校には、素直で、なにごとにも興味関心が強い生徒が多いので、とても楽しんでストックマーケットゲームなどに取り組んでくれているようです。金融についてより詳しく教えてほしいと聞きにくる生徒も多くいますし、家族でお金について話をする機会が増えたと話していた生徒もいます。ファイナンシャルセンターはできたばかりですが、今後は校内だけでなく、学校の外にも活動の場を増やしていきたいと考えています。
社会に出る前に、学校こそお金を学ぶ場であるべき
Q金融教育では、どのような知識を生徒さんに身につけてほしいとお考えですか?
成人年齢が18歳に引き下げられ、親の同意無しに様々な契約ができるようになりました。大学に進めばアルバイトをして課税されるかもしれませんし、教育ローンや奨学金などが関係してくるかもしれません。また近年、オンラインゲームなどでのお金のトラブルに中高生が巻き込まれるケースも少なくありません。社会に出る前に、学校こそお金について学ぶ場であるべきだと思います。たくさんの情報が錯そうしている世の中ですので、「お金について正しく知らない」というのはとても危険なことではないでしょうか。犯罪に巻き込まれることのないよう、そして自分の幸せを自分で構築できるよう、お金についての正しい知識をしっかり持ってほしいと思っています。
Q最後に、富士見をめざす受験生へメッセージをお願いします。
本校の特色ある学びは金融教育に限りません。敷地内の田んぼで米を育てる体験的な学びから社会課題への理解を深めたり、日本画制作から豊かな文化体験をしたりできるほか、日々の授業も様々な興味関心を引き出せるよう、教員が工夫を凝らしています。小学生のいまはまだ、なにに興味があるのか、将来どんな自分になりたいのかに気づいていなくても大丈夫。きっと本校での6年間で興味を持てるなにかを見つけることができるでしょうし、「自分が知らなかった自分」に出会えるはずです。ぜひ本校で、様々な体験や挑戦をしてほしいと思っています。
※2025年「サクセス12」9・10月号より転載。
School Information
- 所在地:
- 東京都練馬区中村北4-8-26
- アクセス:
- 西武池袋線「中村橋駅」徒歩3分
- TEL:
- 03-3999-2136
