創立 90 周年を機に教育改革を実施
藤村女子中学校 Vol.1
藤村女子中学校は時代の変化にともない、2022年に大きく変革します。
中学では特色ある3つのオリジナル授業を、高校では魅力あふれる3つのコースを用意し、
予測困難な時代においても自ら道を切り拓いていける力を養っていきます。

生徒の個性を尊重し 生徒の得意をのばす
若者で活気あふれる街「吉祥寺」に創立し、今年で90周年を迎えた藤村女子中学校・高等学校(以下、藤村女子)。建学の精神「心身ともに健全にして、知・徳・体を兼ね備えた個性豊かな女子の育成」を教育の根幹におきつつ、近年は「ナゾ解き入試」を導入するなど、新しい時代に必要とされる力を育成するためのさまざまな教育改革に取り組んでいます。
「これまで以上に先行きが不透明で将来の予測が困難な時代を迎えています。この時代を生き抜くためには、自ら考え行動し、表現できる力が必要になってきます。これを本校では『生きる力』とし、それぞれの生徒が持っている個性を尊重し、生徒の得意な分野を伸ばしていけるような教育を行っていきたいと考えています。そのために中学では3つのオリジナル授業を導入し、高校は新たな3つのコースに再編しました」と今年度より校長に就任された廣瀬真奈美先生は話されます。
ではいったいどのような授業やコースが展開されているのか、その内容をみていきましょう。
自己を表現、探求、研鑽していく

中学では、土曜日に「自己表現」「自己探求」そして「自己研鑽」のオリジナル授業を行います。「自己表現」の授業で培うのは、おもにプレゼンテーションの力です。
「自分の思いを的確に伝える」ことを意識した資料のつくり方や発表の仕方、さらに聞き手としての心がまえなど、プレゼンテーションにまつわるさまざまなことを学び、実践していきます。ゆくゆくは英語での発表や、外部コンクール出場も予定されているといい、多様な手法で生徒の力を伸ばしていく授業となります。
「自己探求」は、世の中の多彩なエンターテイメントを学問の視点から学んでいくユニークな授業です。「いくらAI(人工知能)が発達しても人の感情を揺さぶるのは人間の力の方が長けているはずです。この授業では人を喜ばせる楽しさを知り、人びとの感情をどう動かしていきたいのか、そしてどんな職業に就きたいのか、将来について考えるきっかけにつながればと考えています。いまは文化祭で行うナゾ解きゲームの企画をみんなで考えているところです」(廣瀬校長先生)
「自己研鑽」は、漢検・英検などの検定試験合格をめざして学習に励む時間です。ただし、たんに一人ひとりが自習する時間ではありません。
少人数のグループをつくり、グループメンバー同士で教え合い、学び合いをしていく時間なのです。「仲間と一緒に取り組むことで、生徒同士の学び合いが広まっています。教員はコーチングをテーマに、伴走者として生徒に寄り添いながら授業を進めていきます」と廣瀬校長先生。
個性が際立つ高校の新コース

高校の大きな変化は、新たに3コース制を導入すること。コースごとに探究学習の内容が大きく異なるのが特徴で、どれも魅力的なものばかりです。また、その学習が将来進むべき道を探る手助けにもなると藤村女子では考えています。
まず、「アカデミッククエストコース」は、「興味を広げる」探究学習を行います。進路を考えていくうえで、自分の興味関心を知ることがまず大切です。そのために、高大連携を含めたさまざまな体験をしていきます。
高1の前期は、実際に吉祥寺の街を巡りながら魅力を知り、ポスターセッションを行います。後期は杏林大学のゼミに参加をし、大学生と一緒に吉祥寺の街の課題に取り組みます。そして高2では、各企業の提示する課題について考え、解決方法を企業にプレゼンテーションをします。
つづいて紹介する「キャリアデザインコース」でポイントとなるのは「自分を深める」です。将来どんな職業に就くにしても、周囲の人々と円滑にコミュニケーションをとってなにかをつくりあげることは大切なことです。高1では、そうしたことに加えて、修学旅行を自分たちでプロデュースするために旅行会社のかたの話をうかがいながら、目的や行き先、コースを決めてプレゼンテーションをします。そして高2では、企業訪問を行い、各企業の提示する課題の解決方法を探るなど、多くの学びを得ることができるプログラムです。
そして、3つ目の「スポーツウェルネスコース」は、アクティブな学びをとおして、人がより健康に生きるためのウェルネス社会について考えていきます。特色は多種多様な15の実習を行う点です。「キャンプ実習」「スクーバダイビング実習」「スポーツ栄養学」「テーピング実習」「セルフメンタルマネージメント」など、従来の「保健体育」の枠には収まらない実習を行います。2年生からは、進路や趣味に合わせて「教育・医療専攻」と「スポーツ健康専攻」に分かれ、より深い学びを行っていきます。
「ナゾ解き入試」に加え「国語1科目表現力入試」を導入
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さらに、以前から行われてきたフィールドワークを「ふじ活」というプログラムとして、中1~中3が学年の枠を越えたグループで、いままで以上に充実した内容で活動しています。
このように教育内容を大きく変更し、新たなスタートを切った藤村女子では、今年度も話題となった「ナゾ解き入試」(2日・午後)に加え、来年度入試より、新たに「国語1科目表現力入試」(2日・午後)を導入します。
「作問は私が担当するのですが、模範解答はつくりません。国語の好きな生徒の答案をしっかりみて、その生徒の個性を尊重し、その生徒の『得意』を評価したいと考えています。ぜひ国語の好きな生徒さんに受験していただければと思います」と廣瀬校長先生。さらに「適性検査型入試」(1日・午前)の検査問題も一新します。例年もっとも併願者の多い都立三鷹中等教育学校を意識した問題に特化し、思考力・判断力・表現力をみていきます。
また、藤村女子では、2023年度から真のキャリア教育をめざして時間割を見直します。生徒が自分の将来のために主体的に考え、選択できる放課後の仕組みを整えていく予定で、今後もさまざま場面で生徒の個性を尊重し、生徒の得意を伸ばすための学びが行われていきます。
School Information
- 所在地:
- 東京都武蔵野市吉祥寺 本町2-16-3
- アクセス:
- JR中央線・京王井の頭線・地下鉄東西線 「吉祥寺」徒歩5分
- TEL:
- 0422-22-1266