5年目を迎える共学中等教育学校 〜6年間のロードマップ〜
桐蔭学園中等教育学校 2024
5年前に男女共学となり、新たなスタートを切った桐蔭学園中等教育学校。
生徒が主体的に、自らの足で目標に向かって歩みを進められるように作られた「6年間のロードマップ」に基づき、
これからの社会を生き抜くための資質・能力を養う教育活動が実践されています。
「傾聴と承認」で互いを認め、共に学びあう仲間となる
桐蔭学園中等教育学校(以下、桐蔭学園)は、男女共学の新たな進学校として生まれ変わり5年目を迎えています。今回は、学び支援主任の一蝶(いっちょう)亮先生に、桐蔭学園の6年間のロードマップについてお話を伺いました。
「本校が育てたいのは、『社会的に生きる主体として自ら考え判断し行動できる資質・能力』です。単に難関大学をめざし、大学受験を突破してほしいということだけでなく、生徒たちが将来、自分の足で歩き、生きていける力を育てることを念頭に、6年間のロードマップを作成しました」と一蝶先生は話されます。
桐蔭学園では、6年間を2年ずつ3期に分け、2年ごとのホームルーム替えを行っています。1・2年生はゆっくりと基礎力を養成する時期です。例えば、朝のホームルームで毎日1人ずつ「1分間スピーチ」を実施しています。相手の話にしっかり耳を傾け、聴いたあとは相手に拍手を送る「傾聴と承認」を実践。次第に生徒たちは互いを認めあい、学校全体がともに学びあう仲間だと感じられるようになっていきます。
3・4年生は広い視野をもち、多角的な視点を身につける展開期です。3年次の探究の授業では「15歳のグローバルチャレンジ」として、模擬国連の活動を導入。世界が抱える諸問題の解決に全員で挑戦し、視野を世界へと拡げていきます。
4年次には「16歳のサイエンスチャレンジ」という、情報の整理・分析に特化したデータサイエンス演習に取り組みます。そこで得た深い学びを自分の将来を考えるきっかけにして、文系・理系別授業が始まる5年生からは本格的に大学受験に向かっていくという流れになっています。
「男女別学から共学の中等教育学校に変わって5年目になりましたが、1分間スピーチにしても、探究の授業にしても、最初の頃は『先生に言われたからやっている』という生徒たちも、4年生になる頃には、その積み重ねが自分たちの力になり、成長していることに気づき始めます」と一蝶先生。
また、「それに気づく頃には、社会に出て生きていくための土台となる力が自然と身についていますから、あとはそれぞれの個性に応じた自律的な受験学習を、我々教員はサポートするだけです。もちろんそれまでの過程でつまずいたりすることなく自己肯定感を育めるように、どの教員も生徒とコミュニケーションをとり、信頼関係を築くように配慮しています。
私も生徒たちとよく話をしますし、教員と生徒の距離が近いのも、本校の特長かもしれませんね。生徒たちの声に耳を傾け、どんな声も受け止めてくれる他者がいるという環境づくりを大切にしています」と嬉しそうに一蝶先生は話されます。
男女共学の中等教育学校としての5年目もなかばを迎え、集大成へのチャレンジを進める桐蔭学園です。
学校生活で得たものは?
共学化後の“1期生” である5 年生のお2 人に、これまでの学校生活を振り返って&今後の目標についてお話を伺いました。
『大学訪問をきっかけに進路について具体的に考えらるようになった』
髙橋 瑞喜(たかはし みずき)さん
4年生の夏休みのアカデミックキャンプで大学訪問の機会があり、自分の将来についてより深く考えるきっかけになりました。それまで「大学ってこんなところかな」と、なんとなくイメージはあったのですが、実際に大学での学びに触れたことで、自ら大学について調べ、行きたい学部について考えるようになりました。将来は医学部進学を視野に入れて、勉強と部活の両立を頑張っています。私以上に勉強や部活を頑張っている同級生も多く、皆から刺激を受けて充実した学校生活を過ごしています。
『1分間スピーチで苦手を克服。自分自身の成長を感じています』
阪 英治(さか えいじ)さん
5年生になって、1年生からの探究の授業や1分間スピーチを通して、自分自身の成長を感じる機会が増えてきました。入学した頃は人前で話すのは得意ではありませんでしたが、繰り返し行っているうちに、どんどん抵抗感がなくなって自信が持てるようになりました。探究の授業で学んでいる情報収集や情報整理の仕方、論文のまとめ方などは、将来必ず役に立つだろうと思います。11月に集大成となる発表会があり、今はその準備の真っ最中。大変ですが、その分大きなやりがいを感じています。
School Information
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- 神奈川県横浜市青葉区鉄町1614
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- 東急田園都市線「青葉台駅」「あざみ野駅」「市が尾駅」、小田 急線「柿生駅」「新百合ヶ丘駅」バス10~20分
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- 045-971-1411