将来の目標を「自分の言葉」で語る ~プレゼン型三者面談~
桐蔭学園中等教育学校 2025
「自ら考え判断し行動できる子どもたち」を教育ビジョンに掲げる桐蔭学園中等教育学校。
「アクティブラーニング型授業」「探究(未来への扉)」「キャリア教育」
を学びの3本柱におき、男女共学の新しい進学校のカタチをめざしています。
将来の「ありたい自分」を起点に自らの言葉で語る
生徒が自らの足で目標に向かって歩みを進められるよう、主体的に生きる力を身につけるための教育活動を実践する桐蔭学園中等教育学校(以下、桐蔭学園)。今回は、その1つとして5年生(高2)で導入されている「プレゼン型三者面談」について、6年担任の賀永麻美先生と6年生の河田優菜さん、同じく6年生の和田知磨さんにお話をうかがいました。
プレゼン型三者面談について賀永先生は、
「将来のありたい自分、そしていまの自分の現状や目標のためにしなければいけないことなどについて、生徒が保護者と担任を前に自らの言葉で話をする場がプレゼン型三者面談です。
一般的な三者面談とは異なり、志望大学合格のためにどのような勉強をするかを話すだけの面談ではありません。将来社会に出てどんなことをやりたいか、どんな人間に成長したいかという目標を設定したうえで、そのためにはどんな大学で学ぶ必要があるか、そしてその大学に合格するためにはいまからどのような勉強をして、どのような学力を身につけるべきかなどを語ってもらいます」と話されます。
また、医学部への進学をめざしている河田さんは「今の自分を見つめ直すいい機会になりました」と三者面談を次のようにふり返ります。「先輩からプレゼン型三者面談の話は聞いていたので、早めに大学について調べ始めて、5年生になる頃には家族と『こんな大学に行って、こんなことを学びたい』と話しあっていました。クラスメイトとも昼休みなど将来について話す機会があり、みんなプレゼン型三者面談に向けて少しずつ将来を具体的に考えるようになっていったと思います」
部活に熱中していたり、興味のあることが複数あったりし
たため進路については、まだなんとなくしか考えていなかったという和田さんは「結局、面談では目標を1つに絞れず『将来なりたいものはまだ決まっていません』と発表することにしました。ただ、それでは説得力が足りないと思ったので、今後のキャリアを考えるうえで必要となる自己分析をし、それをまとめたスライドも自分で用意して臨みました。最初は緊張しましたが勇気と自信をもって、15分の発表を終えられたと思います。この面談で先生や家族に第1志望の大学を伝えて『受験生宣言』ができたことで、高校生から受験生へと気持ちが切り替わって、勉強への意識も変わりました」と力強く話します。
賀永先生のクラスでは、プラスアルファとして生徒から保護者への「お願い」を伝える場を設けたのこと。
「保護者に対して『受験に向けてしてほしいこと、してほしくないこと』を生徒に聞いたのは、第三者である担任がいる場だからこそ言えることがあるのではないか考えたからです。生徒からは『明日の朝は6時に起こして』『勉強の途中でお腹がすかないように食事を用意してほしい』といった生活面のサポートに関するお願いの声が多く聞かれました。なかには『勉強をしているときに、部屋に様子を見に来るのはやめてほしい』『もう少し大人として接してほしい』というような声もありました。受験を前に家族と率直な思いを話しあえるいい機会になったのではないかと思います」(賀永先生)
受験に向けて勉強と生活への意識が大きく変化する
プレゼン型三者面談によって、多くの生徒が受験生としての意識をより強くし、目標が明確になります。自分がいますべきことがわかったことで、勉強にも取り組みやすくなったようで、プレゼン型三者面談の前まで志望校が絞り切れていなかったという和田さんは「もしプレゼン型三者面談がなければ、部活を引退する6年生の夏頃まで志望校の決定を先延ばしにしていたかもしれません。でも志望校を早くに絞れたので、過去問にも取り組みやすくなりました」と話します。
また、河田さんは「プレゼン型三者面談の前までは、勉強の合間にスマホを見たり、夜更かしをしたり、不規則な生活をすることもありました。でも面談後に受験生として気持ちを切り替えてからは、スマホの使用時間を制限し、夜も早く寝るように生活習慣を改善できました。勉強をするときも漠然とやるのではなく、『今日はなにを習得するためにどのくらい勉強をするか』を意識してから取り組むようにしたことで、より効率的になったと感じています」と受験に向けて生活習慣が改善したと嬉しそうに話します。
桐蔭学園での6年間で、自らの意思で目標を定め、それに向かって努力し成長を続ける力を身につける生徒たち。自分の足で自分の人生を力強く歩んでいく、これからの社会を生き抜くための力が養われています。
将来の目標は?6年生に聞きました!
共学化後の“1期生” である6年生のお2人に、
将来の目標についてお話をうかがいました。
和田知磨さん
将来は科学の力を使って、人々のQOL(生活の質)を上げられるような仕組みを作ることが目標です。普段の生活のなかで「面倒だな」「大変だな」と感じていることを解決できるように、まずは理工系学部に進学して知識を深めたいと思っています。
河田優菜さん
中学生のとき部活でケガをして心身ともにサポートをしてもらった経験から、スポーツドクターをめざしています。これからも大好きな「よさこい」を楽しみながら医師としての仕事も大事にして、充実した毎日を過ごせる大人になりたいです。
※2024年「サクセス12」9・10月号掲載の記事広告を転載
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