日本初の探究プロジェクト ~15歳のグローバルチャレンジ~

桐蔭学園中等教育学校 Vol.2

 2021年4月より、桐蔭学園中等教育学校(以下、桐蔭学園)は、教育の3本柱の1つである探究授業(授業名「未来への扉」)として「15歳のグローバルチャレンジ」を始動しました。

「探究=未来への扉」で始まる桐蔭学園の新たなチャレンジ

桐蔭学園は、アクティブラーニング(AL)型授業をベースに、教育ビジョン「自ら考え判断し行動できる子どもたち」の育成に向けた様々な教育活動を展開しています。

桐蔭学園のAL型授業は、50分を「個⇒協働⇒個」という流れで行っています。生徒が自分自身でしっかり学ぶ部分と他者と考え方を共有することで学ぶ部分の両方を大切にする授業です。

そして教育ビジョンの実現に向けて欠かすことのできないプログラムが、教育の3本柱の1つである探究です。

 桐蔭学園では、「未来への扉」という科目名で、1年生から5年生まで週1時間の授業を行っています。1・2年生の間は、「課題の設定」、「情報の収集」、「整理・分析」、「まとめ・発表」、「ふり返り」といったサイクルを1学期の授業のなかで行い、探究の基本的なスキルを学んでいきます。そして男女共学1期生が3年生となった2021年4月より、その3年生を対象に探究授業「15歳のグローバルチャレンジ」をスタートさせました。

模擬国連部の活動をベースにした探究授業

 「15歳のグローバルチャレンジ」は、3年生の探究授業で1年間をかけて実施されます。世界の様々な国の立場から、よりよい世界をつくるために世界が団結して取り組むべきことはなにかを考える授業で、桐蔭学園の模擬国連部の活動をベースにしたプログラムです。

 桐蔭学園の模擬国連部は創部15年目と歴史の浅い部活動ですが、全国大会で7回優勝し、世界大会へは7年連続11回出場する強豪です。2021年5月にオンラインで開催された模擬国連世界大会では、インド政府代表の立場として参加し、優勝にあたる「事務総長賞」を受賞するなど、全国の高等学校・中等教育学校のなかでも注目される存在です。

 「これまで模擬国連部が培ってきた議論スキルなどが、自ら学び続ける力を身につけるために必要だと考え、探究授業に取り入れることにしました。今年度から3年次に全員がこの模擬国連を体験することになります」と入試対策・広報部主任の山本英門先生は話されます。

70か国の大使としてグローバルな視座で考える

 「15歳のグローバルチャレンジ」では、1クラスに10か国を割り当て、3~4人のグループで1つの国を担当します(学年全体で70か国)。生徒は、担当国の地理的な特徴、文化や歴史などを調べ、理解を深めたうえで、国民の代表になりきり、その国が抱える政治的な問題や他国との諸問題を調べ、最終的に解決策を考えます。毎回、授業の冒頭では、世界の動向に関するニュースを伝え、その日の授業の目標を生徒に明確に示します。グローバルな視座で、授業の目標を意識しながら探究に取り組むことで、集中力は高まり、より深い学びへと結びついていきます。

「4月は担当国の基本情報を学び、5月は自国のPRプレゼンテーション、現在6月時点では自国の問題点を把握し、1学期の集大成として、学年末の『国連総会』で話し合う議題案(地球温暖化や飢餓の問題、児童労働など)を考えているところです。7月には70か国から提出された議案から、投票で2つの議題を決定します。生徒たちが他国間の関係性について興味を持ち始めており、『日本に住む中学3年生』とは別の視点で世界の諸問題を考えるという点が非常に重要だと思います」と山本先生。

 また、生徒のふり返りシートには、「プレゼンをして、自分の担当国がますます好きになってきました」「核兵器の威力を具体的に知り、そして現実に存在する核兵器の数を知った。怖い」「十分な食料もない。十分な仕事もない。資源もない。何もない。どこから手をつければいいのか」など、担当国の大使になりきっていく様子がうかがえます。

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6年一貫中等教育学校の3年生だから意味がある

 「生徒には、今まで学んできたことがどのようなことなのか、それが自分の将来や世界とどのようにつながっていくのかを、『15歳のグローバルチャレンジ』を通して1年間じっくりと考えてほしいのです。それまでの価値観を揺さぶるいい経験になると思います。

 また、この探究授業は、本校の教育3本柱である『AL型授業』と『キャリア教育』の両方の要素も含まれていますので、本校の教育を体現できるプログラムになると信じています」(山本先生)。

 2学期以降は、2つの議題について、他国との関係性を考えながら問題解決策を考え、3学期の「国連総会」につなげていきます。「国連総会」では、生徒一人ひとりが国連に派遣された政府代表となり議論を行いますが、桐蔭学園では、この議論を日本語と英語の両方で行う予定です。なお、今後の探究では4年生で大学と連携したデータサイエンス、5年生からゼミ形式の個人探究へと進んで行きます。

 桐蔭学園は、先の見えない複雑な未来を受け入れて、それに対して明るいまなざしで立ち向かえる18歳が巣立つ学校でありたいと考えています。

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※2021年「合格アプローチ」掲載の記事広告より転載。

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