どうして月にウサギがいるの?

東洋英和女学院中学部 Vol.2

日本では「ウサギ」の餅つきとみられているが、世界各地で様々な形にみられている。
中国では「かに」、ヨーロッパでは「女の人の横顔」。他にも調べてみるといろいろなものがあり、それぞれに昔話が伝わっている。

自宅屋上にある反射望遠鏡で観察中の北崎勝彦教諭(東洋英和女学院/社会科)。天文部の顧問としても指導している
自宅屋上にある反射望遠鏡で観察中の北崎勝彦教諭(東洋英和女学院/社会科)。天文部の顧問としても指導している。

月にはなにかいるの?

 日本では古来、月にはウサギがいると言われてきました。それは月の表面の模様に由来します。これが日本ではウサギに見立てられてきました。外国でも様々な形に見られていて、どれもなるほどと思わせるものばかりです。
 
 この模様の黒い部分は海と呼ばれています。昔の天文学者が望遠鏡で月を見て「あの黒い部分には海があるに違いない」と考えて、『雨の海』『静かの海』など名前をつけました。でも実際には水はありません。大昔に火山が爆発して黒い溶岩で覆われたと考えられていて、比較的平らな部分です。

北崎教諭が撮影した月
北崎教諭が撮影した月
ウサギ・かに・女性の横顔
ウサギ・かに・女性の横顔
自宅屋上にある口径40cmのドーム型反射望遠鏡は、公式の観測所として登録されている。
自宅屋上にある口径40cmのドーム型反射望遠鏡は、公式の観測所として登録されている。

「今昔物語」には・・・

 日本の昔話集、今昔物語の中にはこうあります。

 昔、インドの森の中に住んでいたウサギと猿と狐は、自分たちはほかのものの役に立つように生きていこうといつも話しあっていました。これを山上から見ていた帝釈天は、この気持ちが本物であるかどうか確かめてみようと思いました。帝釈天はおじいさんに化けると、「お腹がペコペコなので助けて欲しい」と3匹に頼みました。

 猿と狐は食べ物を見つけてきましたが、ウサギはどうしても見つけられません。そこでウサギは、自分の体を食べてくださいと、自らたき火の中に身を投じたのです。帝釈天はこの優しいウサギの気持ちを世界中に知らせるため、このウサギの体を月の中に移したのだそうです。

 ウサギの模様の周りがモヤモヤと霞んで見えますが、これはウサギが身を投じたたき火の煙のあとだそうです。

※2021年「サクセス12」9・10月号掲載の記事広告より転載。

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