主体的な学習習慣が定着する「プレコース制」
日本大学中学校 2025
「付属校としての安心感」を有しつつ、「難関大学もめざせる」というハイブリッド校として、〝飛躍への挑戦〟を掲げる日本大学中学校。
2030年の創立100周年、そして、その先の未来に向けて動き始めたさまざまな教育プロジェクトが、早くも結果を残し始めています。
一人ひとりの夢の扉をひらく教育革新が進行中
日本大学中学校(以下、日大中)は、「生徒1人ひとりが、生涯にわたって学び続ける力を育み、自らの夢の扉をひらき、社会に貢献する」ことができる人材を育成することをミッションとしています。その実現のために、「常に高みをめざそう、目標を高く持とう」という思いを込めた教育スローガン「Aiming high!」を掲げた教育活動を展開し、さらに教育改革「SHINKA!プロジェクト」が進行中です。
「SHINKA!」とは日大中・高が進める教育改革プロジェクトの総称であり、さまざまな「新化・深化・親化・芯化・進化・真価」を実現してほしいという願いがこめられています。このプロジェクトは、主体的・対話的で深い学びと協働する学びをより効果的に展開し、日本大学の付属校としてのポテンシャルを最大限にいかしつつ、国公立大学や難関私立大学への進学実績を着実に向上させることがねらいです。
「中高一貫2-1-3」システムプレコースの成果に注目
日大中では、2022年度より新しい教育の進化として「中高一貫2-1-3システム」がスタートしました。このシステムは、中高6年間を中1・中2の2年間、中3の1年間、高1~高3の3年間の3段階に分け、中3の1年間を高校0学年と位置づけ、高校のプレコース化をはかるユニークなものです。
具体的には、中1・中2の2年間は探究・体験学習を幅広い分野に渡って実施し、新たな知識を主体的に学び考える「アカデミックフロンティア(AF)コース」とグローバルな視点で探究・体験学習を実施し学び考える「グローバルリーダーズ(GL)コース」の2コース制とし、中3の1年間を高校の「特別進学コース」「総合進学コース」「総合進学コース・スーパーグローバルクラス」の各プレコースとして位置づけるものです。
「プレコース導入の成果は、早くも効果を出し始めています。生徒たちの学習意欲が非常に向上しており、とくに顕著なのが中2です。一般的に中2は中高6年間で学習時間が短くなり、中だるみをする時期ともいわれます。しかし本校では、中2の1年間の定期考査や模試の結果などが、各プレコースの所属条件になるため、生徒たちは自分の希望コースや目標に向け意欲的に取り組みます」と話すのは広報部主任の藤原くみ子先生。
大学受験を考えると、中学の早い段階から主体的な学習習慣を身につけるのは大変望ましいことといわれています。プレコースの導入により、日大中では、自然と早い段階から勉強のスイッチが入るようになり、生徒の主体性も発揮されています。
「試験前はとくに、自習場所を確保するために図書館の前に行列もできていました。高校での進路選択に向けて、中1、中2の早い段階から学習意欲が高まっているのを感じています。それが成績アップにつながっていることは模試の結果からも明らかで、中2の段階でGMARCH合格レベル程度に到達している生徒は半数を超え、入学時よりも着実に学力が向上しています」(藤原先生)
一方で、勉強だけに偏らないように、学外での体験学習や校内行事など、勉強以外のイベントも充実させています。
進路に合わせて用意された3つのプレコース
国公立大学や難関私立大学などをめざす『特別進学プレコース』では、早い時期から大学受験のためにどう勉強をすべきかを学び、動機づけを行うカリキュラムが用意されています。また、『総合進学プレコース・スーパーグローバルクラス(SG)』は、海外大学進学も視野に入れ、ハイレベルな英語の授業を展開しています。
「SGクラスの上位層は英検Ⓡ準1級以上取得も視野にいれながら、海外大学さながらの授業を行っています。そのレベルの高さには他教科の教員が驚くほどです。また、『総合進学プレコース』では、東京証券取引所の起業体験プログラムに参加し、クラスごとに会社を設立して文化祭で物品販売を行い、株主総会を開催するなど実践的な内容で、みんな興味を持って楽しく取り組んでいるようです。どのプレコースも中3次の選択と異なるコースに興味を持った場合は、高校進学時にコースの選び直しが可能となっており、将来への自由な選択肢を残しています」(藤原先生)
適性検査型入試合格者が大学入試でも活躍!
日大中は、日本大学の付属校としての安心感と、国公立大学・難関私立大学をめざせる進学校という、両面の魅力を持つハイブリッド校です。2024年度大学入試では、国公立大学および難関私立大学などへの進学者が42・4%(234名)、医学部、歯学部、獣医学部などを含む日本大学進学者は51・1%(282名)、医学部合格者は10名(日大付属推薦を含む)という結果を残しています。
そのなかでも奮闘しているのが適性検査型入試に合格し入学した生徒たちです。
「中学入試で適性検査型入試の問題に対応するための勉強をしていましたので、中学、高校でも基礎的な知識を使い、それを活用、応用して問題を解くという流れが自然に身についていて、大学受験でも役に立ちました」(昭和大学歯学部に合格した生徒)、「中学受験の勉強では、適性検査型入試の対策のため文章問題に多く取り組んだので、作文能力や読解力がアップしました。それが自信になり、事前書類の準備もしっかりとでき、総合型選抜で合格することができたと思います」(東北大学工学部に合格した生徒)と話すように、適性検査型入試で問われる能力は中学受験だけでなく大学受験でも必要とされる力なのです。
「習得した知識を使って総合的に問題を解く力、限られた時間で的確に読み解く力など、適性検査型入試で養われた能力は、中学に入ってからの学びや大学受験でも確実に役に立ちます。これからもハイブリット校としてのメリットを存分にいかしながら、未来を生き抜く『確かな力』と『人間力』を育成し、生徒の夢を実現させるための教育を実践していきたいと考えています」(藤原先生) プレコースの導入から2年。どんどん成長する生徒たちの学力とやる気に合わせて柔軟に取り組みを進化させながら、日大中はさらなる高みをめざします。
※2025年度入試用「首都圏公立中高一貫校ガイド」掲載記事より転載
School Information
- 所在地:
- 神奈川県横浜市港北区箕輪町2-9-1
- アクセス:
- 東急東横線・目黒線・横浜市営地下鉄グリーンライン「日吉駅」徒歩12分
- TEL:
- 045-560-2600