高校3年間の集大成 ~1人ひとりの個性が輝く創作ダンス~
富士見中学校 2024
「社会に貢献できる自立した女性の育成」を教育目標に掲げる富士見中学校高等学校(以下、富士見)。
今回は、入学からこれまでの中1生の様子と6月に開催された体育祭での高3生全員による創作ダンスについてお話を伺いました。
仲間と切磋琢磨して、お互いを認めあう関係になってほしい
Q入学からこれまでの中1生の様子をご紹介ください。
【学年主任:久保和幸先生】
1学期は、仲間とコミュニケーションがとれるようになることを目標に、色々な企画を行いました。まず、入学して1週間のオリエンテーション期間では、グループワークを中心に、ゲーム的なものも取り入れながら、意識的にしっかりと話しあいができるような環境をつくりました。5月の連休明けには中2以上が遠足に出かけ、中1だけが学校に残る日があります。今年はその日に、「リアル宝探しゲーム」を行いました。
謎解きでポイントが加算されていくゲームで、新入社員のチームビルディングにも活用されているようです。みんな楽しく取り組み、クラスの仲間ともだいぶ打ち解けたようでした。それから少しすると中間テストです。日々の学習を見直しながら初めての中間テストに臨みました。本校では1人1台タブレットを貸与していますが、今年度は、オリエンテーションのころからタブレットを貸与できたので、リアル宝探しゲームでも活用できたのがよかったです。
また、中間テストが終わると、勉強もクラブ活動も本格的になり、タブレットの利用機会も増えてきます。そこで、中1の生徒全員で2学期からのタブレットの使用ルールを考えているところです。使用できる時間だけでなく、なんのために使用するのかについても考えてくれればいいかなと思っています。みんな積極的に話しあいを重ねているようで、2学期からどのようなルールで、そしてどのような意識を持ってタブレットを利用するのか楽しみです。
Q2学期以降の目標はなんですか?
【久保先生】
2学期からはチームでの探究も始まりますので「協働」を意識していきたいと思います。9月に文化祭がありますので、それを取っ掛かりに「協働」する意義についてみんなで考えて、11月の宿泊行事に向けて実践していきたいと思います。
Q生徒たちには今後どのように成長していってほしいですか。
【久保先生】
探究ではチームでの活動が活発になるので、ぶつかりあいもあると思いますが、お互いを認めあえる関係になってほしいと思います。そして色々なことに疑問を持って、主体的に学ぶことのできる人になってほしいですね。
4年ぶりに声出し応援もできた高3最後の体育祭
Q今年の体育祭のテーマは?
【体育祭実行委員長:Y・Aさん(高3)】
「Revival ~輝きを取り戻せ~」です。コロナ禍前の体育祭に戻したいという実行員全員の強い思いからこのテーマに決めました。
Q体育祭の見どころは?
【Y・Aさん】
事前準備から、企画、当日の運営まですべて生徒が主体となって行っているところです。とくに高3の創作ダンスは、高2の2学期から生徒全員で準備をして、体育祭当日は20分間踊り切る、富士見の体育祭、最大の見せ場です。
Q大変だったのは?
【Y・Aさん】
コロナ禍で昨年まで実施できなかった競技を再開したのですが、その競技をやったのが中2だったのでよく覚えてなくて、競技のルールを決めるのが大変でした。実行委員のみんなと少しずつ思い出して、相談しながらルールを決めていきました。
Q体育祭の感想と卒業までの過ごし方を教えてください。
【Y・Aさん】
昨年の体育祭の観戦は校庭と教室の入替制だったのですが、今年は生徒全員が校庭で競技を観戦でき、また声出し応援もできたのでとても感動しました。体育祭実行委員長を経験し、計画を立て、決められた日までにその計画を実行することがどれだけ大変かがわかりました。今後は勉強にもこの経験を活かしていきたいと思います。そして富士見での残りの日々を1日1日大切にして、いままで以上に充実した学校生活を過ごしていきたいです。
高3生全員で創り上げる富士見の創作ダンス
Q高3・創作ダンスの概要を教えてください。
【創作ダンス委員長:I・Rさん(高3)】
今年のテーマは「栞しおり」です。18歳という人生の変わり目の1ページを忘れないように「栞」を挟むという思いからです。創作ダンスは「入場⇨扇⇨ゴース⇨ミックス⇨波⇨花時計⇨退場」という順番で構成されています。この構成をもとに、体育祭では7曲( 20分)踊るのですが、それぞれの編曲や隊形を担当する係の生徒や先生方と何度も話しあいを重ねました。振り付けは実行委員が決めて、授業のなかで全員に伝えていきます。高2の9月から授業に間にあうように、朝や放課後、休み時間を使って実行委員たちと一緒に7曲分の振りを創りました。
Q気をつけていたことは?
【I・Rさん】
自分が一番動くということです。委員長はみんなより何倍も頑張らないとまとめていくことができないと思ったからです。授業以外の時間は、すべてをダンス委員としての時間につぎ込むぐらいの気持ちでやっていました。体育祭の2週間ほど前から始まる高3全員の合わせ練習では、全身全霊を傾けてやっていました。そして、頑張ってくれている高3生全員に、必ず「ありがとう」という気持ちを伝えていました。とても大変でしたが、とてもやりがいがありました。
ダンスだけを見ると、みんな画一的な振りで、多様性を重んじるいまの時代にそぐわないようにみえますが、1人ひとりが個性を発揮しなければ富士見の創作ダンスは絶対に創り上げられないと思っています。
Q今後の夢はなんですか。
【I・Rさん】
体育祭までの9か月間、人ってこんなにまで変われるのだと実感したので、もっと自分がより変われる場所や新しい環境に身を置いて成長していきたいと思います。委員長として辛いこともありましたが、みんなが頑張ってくれたので私も頑張れました。
ダンス委員のことを思い出せば、これから先、どんなことも乗り越えられると思います。
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