聖学院中学校はプロテスタントに属するキリスト教の学校です。一人ひとりが神さまからかけがえのない賜物を与えられているという考えから、その賜物を見つけ、自分だけでなく他者のためにいかす「Only One for Others」の教育理念を体現しています。そして、多彩なグローバル教育や、豊富な探究・PBL型教育、国内外で行われる体験学習をとおして、自分たちの力で課題を発見し、その解決に向けて仲間と協働しながら議論と探究を重ねる学びを大切にしています。そうした学びのなかで、生徒は自分を変えるチャンスにめぐりあい、他者を受け入れる冷静さを養い、世界と共生する知恵と勇気を獲得するのです。

　聖学院は、カナダ・クイーンズ大学のヤング博士が提唱する「ICEモデル」を採用し、「問い」を大切にする授業を展開しています。ICEモデルとは、主体的な学びを実践する学習法で、「Ideas（基礎知識）」「Connection（つながり）」「Extensions（課題解決）」の頭文字をとった名称です。聖学院では、「知識」は、他者や世界に貢献するために身につけるべき重要なものだと考えられており、生徒たちは授業をとおして、「知識」を応用していく手法を学んでいきます。

　また、2020年度から、生徒はひとり１台のデバイス（iPad推奨）を所有し、学内外での学習に活用しています。デバイスの導入によって、より効果的に、充実した授業を実践できる環境が整いました。デバイスについては、学校は使用状況の監視や制限は行いません。家庭の協力を得ながら生徒自身で端末の使い方やルールについて考え、行動していくことを重視しているのです。こうした主体性や自立性をうながす教育によって、生徒は「Student」から、積極的に自ら学ぶ「Learner」に進化し、激変する時代のなかでもたくましく生きるスキルを獲得していきます。