渋谷教育学園渋谷中学校は開校25年目の学校ですが、短期間のうちに進学校としての評価を高め、いまや受験生たちから憧憬を集める対象となっています。

　「自調自考」の精神を教育理念とし、自分で課題を調べ、自分で解答をだしていく自主性と、自ら学ぶ姿勢が重視されます。シラバスは渋谷教育学園渋谷で使用されている独自の学習設計図で、学年始めに１年間で学ぶ内容と計画を細かく記した冊子を生徒全員に配ります。

　特長は、「それぞれの教科の基礎からの学習をなんのために学び、覚えるのか、いま全体のどのあたりを勉強しているのか」をはっきり理解したうえで勉強を進めることができるという点にあります。

　これは自分で目標を理解し、自分で取り組み方を決め、自分で自分の力を判断するというもので、渋谷教育学園渋谷の自調自考を授業のなかで実践していくための取り組みです。

　進学校として急速に評価を高めた要因には、渋谷教育学園渋谷のすぐれた授業システムがあります。

　授業は６年間をＡ、Ｂ、Ｃの３つのブロックに分け、中１と中２をＡブロックの「基礎基本」、中３と高１をＢブロックの「自己理解」、そして高２と高３をＣブロックの「自己実現」の各期とします。

　これは６年間の長いレンジで起きやすい中だるみを防ぐ意味もありますが、３つに分割することで期間ごとのテーマが鮮明になり、生徒の自主性が喚起され、前向きに取り組む姿勢が明確になる利点を持っています。

　さらに、効率的な教程を組み、教科内容を錬成工夫することで戦略的な先取り学習を推し進めています。カリキュラムや年間の教育目標も将来の難関大学をめざした主要教科重視型となっています。