桐朋女子中学校の教育理念は「こころの健康　からだの健康」です。心身ともに健やかに成長することが教育のすべてに優先すると考えており、生徒一人ひとりの生きる希望や意欲を引き出すことを大切にしています。「自分と他者とは違っているのが前提であり、そこにこそ人の存在する価値を見出せなければならない」との指導が、学校生活をとおして行われます。

　自分にはない他人の考え方や感性に耳を傾け、理解しようと努力するとき、ほんとうの理解力が生まれ、真の成長へとつながります。それをひと言で表せば、豊かな感性とそれを支える高い知性の双方をバランスよく身につけた、創造性にあふれた人間の育成をめざす教育実践だと言えます。

　「ことば」は、思考と表現のための道具（ツール）です。桐朋女子では、この「ことば」の力がすべての活動の土台になると考え、さまざまな活動を行っています。授業では、見学、実習、実験、制作などを数多く取り入れています。

　ほんものに触れ、自ら考えたことをレポートにまとめたり、スピーチやディベートをとおして考えを共有し互いに高めあったりするなかで、「思考力」「発想力」「表現力」などを伝統的に育んできました。

　また桐朋女子には、ホームルームや生徒会、クラブ活動、文化祭や体育祭など、生徒が主体的に取り組み、活躍できる場が多くあります。生徒たちは学校生活のなかに自身の居場所を持ち、はたすべき役割を見出します。

　こうした学校生活をとおして、自ら生き方を創造し切り拓いていく人材を育成します。実際に国公立大学や難関私立大学、芸術系大学、海外大学など進学先は多様で、さらにその後の多岐にわたる道へとつながっています。

　なお、桐朋女子は長きにわたり積極的に帰国生を受け入れており、その存在は、学校生活全般において大きな刺激となっています。