成蹊中学校の前身は1912年に設立された成蹊実務学校です。「個性の尊重」「品性の陶冶」「勤労の実践」という建学の精神に基づき、知性や品性をバランスよく備え、主体性と社会性に富んだ人格の育成をめざしています。小学校から大学までが集うキャンパスで、成蹊小学校からの進学生、海外からの帰国生など、多様な背景を持つ生徒がともに学ぶなかで、偏らないものの見方、他者を理解し尊重する姿勢を身につけます。

　中学でのカリキュラムは全員共通履修で、高２で文系・理系に分かれ、高３で18種類のコースから各自で選択します。卒業生の約70％は他大学へ、約30％は成蹊大学へ進学するため、その両方に対応できるようなカリキュラムを編成しているのです。加えて、卒業生の協力を得ての進路ガイダンス、ワンキャンパスの利点を活かした大学教員による講演会や模擬授業などを行います。これらの取り組みが医歯薬、芸術分野を含む多彩な進路の実現へとつながっています。

　行事も大切にしており、中学では自然観察などを行う「夏の学校」、各教科で事前学習した内容を現地で実体験する「修学旅行」、高校では「学習旅行」（高２）を実施します。「学習旅行」は一般的な修学旅行とは異なり、教員や生徒が自主的に行程を計画するのが特徴で、国内外問わず約８つのコースを設定し、長期休暇中に希望者が参加します。ほかにも生徒主体でつくりあげる「蹊祭」「体育祭」など魅力的な行事が多数あります。

　国際交流もさかんで、1949年開始のアメリカ・セントポールズ校との交換留学をはじめ、45年以上前から交流をつづけるオーストラリア・カウラ高校での短期留学、ケンブリッジ大学との提携プログラムなど、多様な留学機会を用意しており、国際社会で活躍するバランスのとれた人材を育成しています。